ライブ配信で本当に“音楽”は伝わるのか?配信と生の音楽との違い

クラシック音楽家のためのライブ配信事業を展開して2年

音楽家のための会員制サロン Salon d’Art サロン・ダールでは、2020年よりライブ配信事業を行なってまいりました。
コロナ禍でのスタートという新事業ではありながらコンサート配信や収録は年間50本以上の公演(2021年度81公演)を行わせていただけるまでになりました。
そんな私たちが2020年の4月に初めて行ったオンラインコンサートの様子を公開したいと思います。
この記事は2020年4月30日のオンラインサロンの記事を一部加筆修正して公開しております。オンラインサロンではプロの音楽家が形成するコミュニティであるサロン・ダールの動向や、音楽家に役立つ情報を会員限定で公開しております。最新の投稿をご覧になりたい方は、Salon d’Art会員登録の上、オンラインサロンへご参加ください。
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こんばんは。
昨日第1回となるライブコンサート 、『石田彩子フルートソロライブColor #0【LC01】』終演しました。
初めてのコンサート生配信ということで色々とヒヤヒヤもありましたが、結果的には約20人のお客様がチケットを買って聴いてくださっていたようです。
コロナウイルスの影響下でインターネット回線が混線している中、
こちらからの「配信するためのインターネット環境」とお客様側の「聴くためのインターネット環境」の双方が揃っていないといけないというハードモードで(しかもお休みの日の19:00という一番混む時間帯で)皆様に無事ご視聴いただけるかが一番気がかりだったのですが大きなクレームなどなく終えることができました。
(言わないでいてくださったのだとしたらありがとうございます。心が折れずにすみました。笑)
今日の投稿は、ライブコンサートを初めてやったことで見えた『景色』があったのでその内容についてです。

「事前チケット制」の良さ。とこだわる理由

ライブ配信アプリのプラットホームには「17Live」や「Pococha」「ツイキャス」といった既存のものがありますが、今回の配信でそれを使わなかった大きな理由の一つに「『事前チケット制』にしたかった」ということがあります。
近年勢いのある「17Live」や「Pococha」といったアプリは、どちらも『投げ銭制』になっていてライブ配信を見ながらタイムリーに配信者に気持ちを伝えることができる仕様になっています。
これは音楽でいうところの「路上ライブ」に近いと思っていて、今回サロン・ダールで開催したいライブコンサートにはその建て付けは合っていないと思いました。
(もちろん路上ライブを否定しているわけでは全くありません。あくまでも今回やりたかったこととの『相性』の問題です。)
結果、ライブコンサートは『事前チケット制』にしたわけですが、これによって
奏者側には
・チケットを買ってくれた人に届ける責任
が生まれ、観客側には終わってみると
・この瞬間を楽しむことができるのはチケットを買った人だけ
という『プレミア感』が生まれていました。
チケット制にすることで「楽しませたい」という気持ちと「楽しみたい」という気持ちが高い次元で重なって、結果、奏者と聴衆それぞれの、その瞬間に対する「熱量」が高まっていたんですね。
このプレミアム感は、普通のコンサートホールでの演奏会では自然と感じていることで、逆に言えば配信をする上での気がかりな点でもあったわけですが、今回小規模ながら配信を行なってみて、「熱量の交換」という点は、インターネット配信も大きくは変わらないということがわかったことは大きな発見の一つでした。

「本気」は伝わる。

さいちゃん!お疲れ様です!!!
配信でも、さいちゃんの気持ちはめちゃくちゃ伝わりました。
自作曲も素晴らしく、また聴く機会があることを楽しみにしているよ!
今度は間近で、同じ空間で聴けることを願って、今は前向きに頑張ろうって、このliveの企画に、またliveを聴いていて励まされました。
素敵な企画をしてくれて本当にありがとう(*^^*)

これは終演後に寄せられたコメントです。

これは今回演奏してくれたフルート奏者の石田彩子氏の凄さなしには語れませんが、無観客でカメラやマイクを通していても「本気」は聴衆に伝わるということだと思います。
今回、ライブコンサートを行うにあたって東京フィルハーモニー管弦楽団のフルート奏者の方などにも機材面で全面的に助けていただき(本番も視聴してくださっていました)のですが、その方が昨日の夜に
「生の音は確かに恋しいですが、爆発的に増えた発信されてる音楽の中にも感動的なものたくさんあります。結局のところ本物かどうかなんですね。「吹いてみた」って軽いノリの投稿もいい時もありますが、全力で本気でやってる音楽ってやっぱり何を通して聴いても素晴らしいな、と思った夜。」
というツイートをされていました。(これが今回のライブコンサートについてかどうかの確証はありませんが多分そうだと思います。笑)
ライブコンサートを行うにあたって、カメラやマイクを通してしまうとコンサート特有の『臨場感』が伝えられるかが心配でしたが、
「本気」でやっている音楽は、その媒体を超えてきちんと伝わるんだということが確認できました。
もちろん日常的にコンサートが開催され生の音楽を聴くことができる環境になれば話は少し変わるかもしれませんが、少なくても聴き手も「音楽に飢えていた」この状況では確かに奏者の本気は音になって届いていたようです。
初めてにしては控え目に言って大成功で、石田氏の演奏も本当に素晴らしかったです。
今後改善していきたい点も見つかりましたが(5G早く来い!)成功したことで次の新しい山も見えたので、音楽家と一緒にその山を登っていきたいと思います。
コンサートの感想(一部)や石田氏の終演後のコメントはライブコンサートページで見れますのでそちらもご覧ください。
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